Windows PowerShell(以下、Windows PowerShell)は、Windows環境におけるシステム管理を効率化するために開発されたコマンドラインシェルおよびスクリプト言語です。一方、PowerShell (.NET Core)(以下、PowerShell)は、クロスプラットフォーム対応を目的として再設計されたバージョンであり、Windowsだけでなく、macOSやLinuxでも動作します。本記事では、両者の主な違いについて解説します。詳しくはMSの情報に記載してますので、さらに知りたい場合は下のリンクをご覧ください。Microsoft Learn
基盤となるフレームワーク
- Windows PowerShell: .NET Framework上で動作し、Windows専用です。
- PowerShell: .NET Core(現在は.NET 5以降)上で動作し、クロスプラットフォーム対応です。
この違いにより、PowerShellはWindows以外のOSでも利用可能となりました。
クロスプラットフォーム対応
- Windows PowerShell: Windows OSでのみ利用可能です。
- PowerShell: Windows、macOS、Linuxで利用可能です。
PowerShellは、異なるOS間でのスクリプトの再利用性が向上しています。
モジュールと互換性
- Windows PowerShell: 多くのWindows専用モジュールが利用可能です。
- PowerShell: 一部のWindows専用モジュールは利用できませんが、
Import-Module
コマンドの-UseWindowsPowerShell
オプションを使用することで、互換性を保つことが可能です。
詳細は、Windows PowerShell 互換性機能を参照してください。
実行ファイルの違い
- Windows PowerShell:
powershell.exe
として実行されます。 - PowerShell:
pwsh.exe
として実行されます。
この違いにより、両者を同一システム上で並行して使用することが可能です。
新機能と改善点
PowerShellでは、以下のような新機能や改善が行われています。
- パフォーマンスの向上: スクリプトの実行速度が改善されています。
- 新しい構文の導入: 三項演算子(
?:
)やnull合体演算子(??
)などが追加され、より柔軟なスクリプト記述が可能になりました。 - 並列処理のサポート:
ForEach-Object -Parallel
を使用することで、並列処理が容易になりました。
詳細は、PowerShell 7 の新機能を参照してください。
サポートと更新
- Windows PowerShell: バージョン5.1が最終バージョンであり、新機能の追加は行われていません。
- PowerShell: 継続的に更新されており、新機能やバグ修正が提供されています。
最新情報は、PowerShell の新機能の概要を参照してください。
まとめ
項目 | Windows PowerShell | PowerShell (.NET Core) |
---|---|---|
基盤フレームワーク | .NET Framework | .NET Core / .NET 5以降 |
対応OS | Windowsのみ | Windows, macOS, Linux |
実行ファイル名 | powershell.exe | pwsh.exe |
モジュール互換性 | 高い | 一部制限あり |
更新状況 | 停止 | 継続的に更新 |
新機能 | 追加なし | 多数追加 |
PowerShellは、クロスプラットフォーム対応や新機能の追加により、より柔軟で強力なツールとなっています。既存のWindows PowerShellスクリプトとの互換性も考慮されているため、移行を検討する価値があります。
再度ですが、詳細な情報や最新の更新については、Microsoft公式ドキュメントを参照してください。