1. Active Directory Domain Services (AD DS) の概要
AD DS はネットワーク上のオブジェクト情報(ユーザー、パスワード、電話番号など)を階層構造のディレクトリとして保存し、認証や検索を可能にするサービスです。ディレクトリ情報は論理的に構造化されたデータストアとして管理されます。{index=1}
2. セキュリティ識別子(SID)とセキュリティ プリンシパル
- セキュリティ プリンシパル:ユーザーアカウント、コンピューターアカウント、グループなど、アクセス制御の単位となるディレクトリ オブジェクトを指します。
- SID(一意識別子):セキュリティ プリンシパルごとに割り当てられる一意の識別子で、認証・アクセス制御の基盤となります。既存のアカウントの SID は再利用されず、新規作成時には新たな SID が発行されます。
3. 運用の基本ポイント
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キャパシティ プランニング
AD DS の運用においては、ハードウェア(メモリ・ストレージ)、仮想化環境、クラウドとの連携といった要素を考慮し、定期的に環境のパフォーマンスと容量を評価・最適化する必要があります。 -
機能レベルの要件
Windows Server 2025 以降でフォレストや AD LDS を構成する場合、機能レベルは Windows Server 2016 以降である必要があります。
4. その他の構成要素(補足)
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AD FS(Active Directory フェデレーション サービス)
認証リダイレクトやシングルサインオンの実現など、ID フェデレーションに関する機能を提供するサービスです。環境構成には、AD DS ドメインへの参加や、フォレスト間の信頼関係構築が必要です。
まとめ
Active Directory(AD DS)は、ネットワーク上のオブジェクト情報を一元管理し、安全かつ効率的に認証・アクセス制御を提供する基盤技術です。その構成要素として、ディレクトリ データ、セキュリティ プリンシパル/SID、運用(キャパシティ管理・機能レベル調整)を押さえておくことが重要です。